shiguです。
1on1 Advent Calendar 2019 の10日目です。
はじめに
エンジニア6年目にしてアドベントカレンダー初参加です。
なぜ参加しようと思ったのかというと、
今年はじめて1on1をする側(上長側)を経験することになり、
その情報の少なさに戸惑ったことがきっかけです。
「1on1」と検索をかけると約8,210,000件ヒットするのですが、
具体的なメソッドに言及する記事は少ないように感じました。
そこで、今年私が初めて1on1を実施して試した色々なことを記録しておくことで、
次に始めようとしている人の助けになるかもしれないと思い、参加を決めました。
前提
まずはじめに、私とチーム(部下側)について。
私
- 新卒6年目(女)
- スクラムマスター(会社としてはチームリーダー的なポジション)
- つまり上司ではない
- 1on1は毎週実施
- 1回20分
- 全員同じ曜日に実施
- 夏季休暇取得などまとまった休みを除いて、予定が合わない場合はリスケする
チーム
- スタートから1年半のスクラムチーム
- 開発チームは7人
- プロパー4人、パートナー3人
- 30代3人、20代4人
- 全員男
- スタート時からメンバーの入れ替わりは多少アリ
- 仕事は忙しい
- 仲良し
- 席は近い(リモートワークは週1で試験的に導入中)
- 1on1はすでに1年半以上前に導入済み(上司に当たる人と実施していた)
1on1をすることになったきっかけ
もともと1年以上前から、会社の施策として始まっていました。
私の上司がずっと1on1を実施してくれていたのですが、
いよいよ部下が増えすぎて対応しきれなくなりチームリーダーの私に「上司側」が回ってきました。
あんまり能動的なきっかけではありませんね。笑
1on1とは何なのか
ここは今回の本質ではないので簡単に。
- ヤフーの人事施策として、上司と部下のコミュニケーションを増やすために始まった
- 「コーチング」「ティーチング」「フィードバック」という3つのスキルが必要
- 部下の育成やキャリア形成につながるようなミーティング
ヤフーの1on1については下記の本が出ているのですが、私は不勉強ながらまだ読めていません。
今まで1on1でやってみたこと
ここからは、私が実際に1on1を担当するようになってからやったことについて。
ネタカードを作ってみた
「故郷の話」「週末やったこと」などのプライベートな内容から、
「かけられると傷つく言葉」「自分の強み」など仕事に関係しそうな内容まで、
いろんな話のネタを書いたカード を作成しました。
100円ショップで買ってきたペラいカードに手書きで書きました。(笑)
話し手が引いたカードの話をするという形で、
話したいことや相談したいことが特にない人でも1on1が苦痛にならないようにすることが目的です。
こういうとき、上司側から面白い話題を提供しても構わないとは思うのですが…
私はあまりこういった話題振りが上手ではないので、カードに頼ることにしました。
ちなみに、ほとんどこのカードを使ったことがない人もいます。
話題に困らないという点では有意義なのですが、
話し手が話題を考えるということから遠ざけてしまう可能性 があるという点ではデメリットもあります。
悩んでいることがあるけどまだうまく言語化できない場合、
頑張ってその悩みを伝えるのではなく「とりあえずカードで…」と逃げることができてしまいます。
なので、カードはあるけれどこちらからなにか別の質問をしてみたり、
次の1on1カードと併用してみたりするのがちょうどよいように思います。
1on1カードを借りた
まなみんさんの1on1カードを別の部署の方から借り、使ってみました。
内容は 体調の確認からチームの状況確認や目標設定 に関するものがあり、
同じカテゴリのものを何枚か使って質問していく形のようです。※いくつか使い方があります
内容は基本的なもので「なんとなく体調とかもうわかってるしなあ…」と思ったりもしたのですが、
実際使ってみると1on1という1対1の話とチームでの雑談では話に上がる内容は異なり、
改めて1on1の効果を感じられるような気がしました。
私はメンバーにカードを見せた上で指差しながら話をしていったのですが、
「あえて今更言うことがないなー」というメンバーもいれば、
「このカードで行きましょう!」と面白がってくれるメンバーもいました。
スタンスカードを作ってみた
私(上司側)にどんな立場で話を聞いてほしいか をメンバーが指し示せる、スタンスカードというものを作りました。
はじめに、上記カードを選んでもらって話を始めます。
報告や相談があるメンバーは活用できますが、ネタカードを使う場合にはあまりどれもしっくりこないようでした。
逆に、 複数のカードを示してくれる人 もいました。
自席から少し離れた席で実施した
自席のある執務室ではなく、 社内のフリースペース を利用することにしました。
自席のそばで1on1をしているチームもあったのですが、
周りにチームの人や部署の人がいると気にして話しづらいこともあると考えました。
実際、あるメンバーとの関わりに悩んでいるという話をしてもらえたことがあり、
他のメンバーから見えづらい席を選んだ効果かなと感じました。
今後も引き続きフリースペースを活用していくつもりです。
しかしタイミングによっては、至近距離に同じ部署の人がいるということもあります。
会議室で行うと堅苦しくなってしまうので現時点では我慢してもらっていますが、
この点については改善の余地があると感じています。
斜め45度の角度で向き合って座るようにした
対立の姿勢で萎縮してしまわないように、斜め45度の角度で座ってもらうようにしています。
真正面に座ろうとしてくれる人も多いのですが、
「こっちで…」と斜めの席に座るようお願いしています。
まだこの席配置による効果を私自身は感じられていないのですが、
正面からずっと視線を浴びせられている危機感はやや薄れているのではと思います。
ただその代わり、この配置だとPCは少し置きづらいです…。
Boostnoteで一人ずつメモを取った
1on1中にPCを開くことは良し悪しありますが、最終的にはPCでメモをとることに決めました。
手書きのメモともかなり悩んだのですが…
手書きのほうがむしろ私の手元が気になってしまうのではと思ったことと、
最終的にやはりデータ管理できたほうが楽になるのではと考えたのでこうしています。
メモアプリはWindows/Macともに無料で使えてメモが同期できるBoostnoteを使っています。
メンバーごとに1つのファイルを作成し、
最初に日付を書いて履歴の管理ができるようにしています。(メンバーが休みの日は「休み」と記載)
内容はこんな感じで、要点だけを箇条書きで書きます。
※実際は2行くらいしか書けない日もあります。
20191210
- 悩み
- 生産性が上がらない
- 想像していないところで詰まってしまう
- Aさんは生産性が高くすごい
- なぜAさんはできるのか?
- わからないと思ったらすぐ質問する
- 週末資格試験を受けた
- あまり勉強できていなかったが、なんとか受かった
- 次はxxxxxを受けたい
話している間はほとんどメモをとることができないので、
メンバーが入れ替わるときや全員が終わったあとに急いで追記します。
全体を通して
学び
すごく仲の良い、見知ったチームだと思っていたが知らないことがたくさんありました。
前置きなく話しはじめてあっという間に時間が過ぎてしまうようなメンバーもいれば、
「いやー今日はネタがないんですよね」から始まるメンバーもいます。
ただしこのセリフからもわかるように、「ネタを考えてきたほうが良い」ということはわかってもらっているように感じます。
週によってなんとなくテンションの高低も見えるし、疲労度がわかって良いです。
あと、1on1は定期的に実施するミーティングですが、毎週同じ形式で実施すればいいということではないと気づきました。
同じ形式だと、同じ話題しか引き出せません。
使うカードを変更してみたり、こちらから質問してみたり…とにかく毎回工夫が必要です。
戸惑い
7人ぶっ通しは正直めっちゃ疲れます。(笑)
嫌だというわけではなく、超真剣に聞いて話を引き出す方法や解決策を導く方法を考えたりするので頭が疲れるイメージです。
あと、とっても口が乾きます。飲み物必須です。
アドバイスではなく「聞く」のは難しいです。
わかっているつもりでもついつい説明口調になったり、アドバイス風になってしまったりします。
「うんうん、そうだったんですね。その時、どう思いました?」など質問を繰り出すのは更に難しいです。
私は話を引き出すための質問が上手ではなく「それはこういうことなんじゃないの?」と解決策の案を出してしまいがちなので、
まず何かを断定する前に問いで返すような習慣づけをしなければと思います。
あとこれは私の時間管理が甘いだけなのですが、
時間をオーバーしてしまい、次の人の時間が短くなってしまうことがあります。
反省して腕時計をつけることにしましたが…それでもまだまだ「えっ、もう時間!?」となることもあります。
おわりに
取り組んでいる試みを中心に書いてみたのですが、
比較的当たり前のことが多くあまり参考にならないということに今更気づきました…。
1on1がマンネリ化、進捗報告化しているチームや、
初めてだからよくわからない!という方にはギリギリ参考にしていただけるかなと思います。
私個人としては、
事前に書いたアジェンダに沿って1on1すすめるという形を今度試してみてもいいかなあと思っています。
1on1は上司と部下の忙しくてお高い時間を使って行うミーティングなので(笑)、
1回1回がお互いにとって価値のある時間になるよう引き続き工夫をしていきたいです。