はじめに
身の回りに「こんなリーダーになりたい!」という人がいない状況の中で、
リーダーになってから早2年近く経っています。
(もちろん一部分真似したい人はたくさんいるのですが…)
本屋でふと、 「シンプルだけれど重要なリーダーの仕事」 という本が目に付き、
パラパラっとめくったところ本もシンプルでわかりやすそうだったので、読んでみました。
本の中で気になったことをいくつか抜粋してご紹介します。
役割をメンバー自身に考えてもらう
ここで言う役割は2種類あります。
- 公式の役割:リーダーから与えられた役割
- 本当の役割:メンバーが主体的に自ら決めた役割
会社で働いていると公式の役割はリーダー、もしくは部長やマネージャーから与えられてしまいますが、
メンバー自身がどういう役割を担うか考えてもらうのがよい、ということです。
人から指示された役割ではなく、自分でどうするかを考えると振る舞いも変わってくるとのこと。
誰もが「自分ごと」として取り組む習慣をつける
メンバーが何かを他責にしていると感じたときには、この問いかけをしてみる。
「できない理由ではなく、キミならどうするかを教えてほしい」
どうしても自分を守るためにこのような発言をしてしまうことはあると思うのですが、
それを受け止めつつ事態の改善に向けた策を考えたいのでぜひ使いたいなと思いました。
「楽しくない仕事」は一度やめてみる
これが一番衝撃的だったかもしれません。
本の中では、つまらない進捗会議をやめてみたら(直後は困ったけど)適切な進捗報告ができるようになったとのこと。
リーダーが勇気を持ってやめてみると、
本当に必要なことだけにフォーカスされた仕事が浮き上がってくるのかなと思いました。
新しい取り組みばかりに目が行きがちですが、
今の仕事を見直してみる ことも必要だなと気付かされました。
「できている」ところを評価する
100点満点中30点の出来だったとき、
まずは30点であったことをキチンと伝え、なぜ30点取れたのか?を聞く。
これ、ついできてないところに目が行ってしまうんですよね。
後輩とか、メンバーとか、
自分と経験や視点が違うのだからできないところに気づいてしまうのは当然。
できたところにフォーカスし、「どうしてそれができたのか?」を聞く ことで、
次は50点、60点と点数を上げる方法をメンバーが自ら考えることができそうです。
感情を言葉で表現する
「早く仕上がったね!」ではなく、「早く仕上げてもらえて嬉しい!」
「この仕上がりではまったくダメだ!」ではなく、「この仕上がりは残念だなー、ショックだよ…」
感情的に語るのではなく、
きちんと感情を言葉で伝えることでメンバーの感情、チームの雰囲気が良くなるそうです。
確かに、ネガティブな感情が声や態度に出ると深読みしてしまうけれど、
それをきちんと言葉で伝えてもらえればある程度誤解なく受け止められる気がします。
ポジティブな感情はもちろん、言葉で伝えてもらえるとより嬉しさが増すだろうなと。
これは実践する機会が多々ありそうなので、是非試してみたいと思っています。
トラブルに振り回されない
なにかトラブルが発生してしまってもリーダーは客観的に把握し、動じないようにする。
これはどちらかというと「ああ、あのリーダーはトラブルの時おっかないよなあ…」と
ぼんやり思いながら読んでいました。
「なんとかなるだろう」を排除する
状況に依存せず、メンバーを信頼する。
「キミたちがいれば、なんとかなるだろう」が大切。
私もつい、なんとかなるよと言ってしまうことがあるのですが…
「なんとかなるよ」だけだと、メンバーから当事者意識を奪ってしまうそうです。
キミたちとなら大丈夫だって信じているから、頑張ろう! が大切なんですね。
トラブルは行動で解決する
トラブルが起こったときは利害関係者を大切にして、迅速かつ謙虚な姿勢で対応する。
原因究明より、信頼が大事。
これは本当にそうだなあと実感を持って納得できました。
エンジニアなら避けて通れない障害発生時の対応がまさにこれで、
原因はさておき迷惑をかけてしまったお客様やお客様と対応している営業や運用、
そして開発と様々なチーム・メンバーが関わってくる中で、冷静かつ丁寧な初期対応が大切だと実感しています。
私のチームでは、 障害発生後の原因究明は「対策会議」でやることに決めています。
少なくとも一次対応は終わった状態で原因と対策を考えることとしておけば、
言い訳が先に出ずに適切に対応をとって信頼を回復できるのではないかと考えています。
リーダーにとって最も大切なものとは?
答えは、 「メンバー」 。
ひっかけか!と一瞬思ったのですが…。
「このリーダーについていきたい!」と思ってくれるメンバーであると本の中で綴られていて、
なるほどそうだなと思いました。
うちのチームはどうなのだろうか…と割とドキドキしますが(笑)、
私自身はそういうチームを作りたいとずっと思っているのでとても納得でした。
IT業界だとキャリアップのためにチームや部署や会社を変えることは多いと思いますが、
「また機会があったらこのリーダーのもとで働きたい」 と思ってもらえるようにチームを作っていきたいです。
終わりに
読みながら、「リーダーって大変だな」と改めて思いました。
少なくともチーム内では、メンバーとは違った目線で同じ問題に対処しなければならない。
つまり、全く同じ立場の仲間がいない状態なんですよね。
そんな状況で諸々の事態に対応する方法を考えるには、
このように本を読んでみたり、他のチームのリーダーに知恵を借りるのが良いのかなと感じました。
そう考えると、(うちの部署ではあまりないのですが)リーダー同士の交流の場ってあってもいいのかなと。
悩むポイントって割と近いこと多いと思うんですよね…。もちろんチームによりますが。
そんなことも提案してみようと思えた本でした。